HOME > トピックス > 2010年11月7日 竹澤恭子 記念館コンサート

● 「世界のKYOKO TAKEZAWA」の演奏を秋の日、じっくりと堪能しました。


 2010年11月7日(日)、スズキ・メソード出身のヴァイオリニストで、世界がその実力を絶賛している竹澤恭子さんが、ついに鈴木鎮一記念館コンサートに登場しました。

 演奏曲目は、ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 作品100、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 作品47「クロイツェル」、ラヴェル:ツィガーヌという豪華な組み合わせ。ブラームスは、竹澤恭子さんが最新CDにブラームスのソナタ全曲を収録されていることもあって、その磨きのかかった音色の美しさは素晴らしいものでしたし、続くベートーヴェンのクロイツェルソナタの構築のしっかりとした演奏は、今年からパリに住まいを移した竹澤恭子さんの新しい側面を垣間見せました。そしてツィガーヌの冒頭の独奏部分から続く高い音楽性は、まさに芸術家の魂に触れる思いを感じさせたほどです。

 演奏前には、「初めて鈴木鎮一先生とお会いしたのは、幼稚園の頃で、夏期学校の時でした。小学生時代も鈴木先生に師事していて、先生はとてもユーモアのセンスがあり、演奏の楽しさを教えてくださいました」とご挨拶。記念館でのコンサートをとても楽しみにされていたようです。

 名古屋から駆けつけたというお客様は、「演奏中の集中力がすごいですね。ダイナミックで、かつ力強く、演奏中は彼女に魔法をかけられているかのようでした」と大絶賛。その興奮がさめきらないようでした。

 これまで70回もの回数を重ねて来た記念館コンサートですが、この日ほど、拍手が鳴り止まない日はなかったかもしれません。キャパシティを越えんとする、この日の80名のお客様は、幸せな体験だったことでしょう。「世界のKYOKO TAKEZAWA」の渾身の演奏を手の届くような間近な距離で聴けたのですから。

 実は、ピアノの臼井文代さんと竹澤恭子さんは、スズキ・メソードがかつて30年間にわたって行なっていた海外演奏旅行で一緒にアメリカ各地を回った間柄でした。それが、第9回テンチルドレンツアー(1973年9月27日~11月6日、41日間)で、シカゴでシビック・シンフォニーと共演するなど、素晴らしい体験をされています。それだけに二人の共演は、とても意義のあるものでした。

■竹澤恭子(ヴァイオリン) Kyoko Takezawa
  3歳よりヴァイオリンを始め、山村晶一、小林健次両氏に師事。6歳より才能教育研究会海外派遣団の一員として海外ツアーを行う。桐朋女子高校音楽科在学中に第51回日本音楽コンクール第1位、併せてレウカディア賞、黒柳賞を受賞。1985年にジュリアード音楽院に入学し、ドロシー・ディレイ、川崎雅夫両氏に師事した。1986年第2回インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールで圧倒的な優勝を飾る。以来「世界のKYOKO TAKEZAWA」として国際的スターダムを昇り続けている。
 これまで、ニューヨーク・フィル、ボストン響、シカゴ響、フィラデルフィア管、モントリオール響、ロンドン響、モスクワ放響、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、バンベルク響、バイエルン放響、リヨン管、フィンランド放響、ローマ・サンタ・チェチーリア管、ロイヤル・コンセルトヘボウ管など、世界の主要オーケストラと共演。指揮者では、クルト・マズア、ズービン・メータ、レナード・スラットキン、シャルル・デュトワ、リッカルド・シャイー、ケント・ナガノ、クリストフ・エッシェンバッハ、ヘルベルト・ブロムシュテット、小澤征爾らと共演している。室内楽でも、フェステイヴァル・ソロイスツ(サントリーホール)のコ・ディレクターを務め、アイザック・スターン、ヨーヨー・マなどと共演したほか、宮崎国際室内楽音楽祭では東京クヮルテット、アメリカ・ラホーヤ音楽祭ではエマーソン・クヮルテットのデイビッド・フィンケルらと共演している。
 2001年、ユーリ・シモノフ指揮モスクワ・フィルハーモニー交響楽団とアメリカ・ツアーを行い、2002年には、マレク・ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団定期演奏会、ヴァシリー・シナイスキー指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会、尾高忠明指揮BBCウェールズ・ナショナル交響楽団(プロムス)、大植英次指揮スウェーデン放送交響楽団定期演奏会に出演。
 また、2002年から2003年にかけて、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会を全国各地で3回に渡って行ない絶賛を博した。2005年にはトロント交響楽団定期演奏会、リル国立管弦楽団定期演奏会、セントルークス室内管弦楽団カーネギーホール公演に出演。またアラン・ギルバート指揮ハンブルク北ドイツ放送交響楽団の日本ツアーのソリストをつとめた。2006年にはセントルイス交響楽団の定期演奏会で好演。CDについては、RCAレッド・シールより多数リリースしている。
 2009年には、デビュー20周年記念リサイタルシリーズの締めくくりとして、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会を各地で開催。2010年1月には、シカゴ交響楽団の定期演奏会でアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲を演奏し、絶賛された。1993年第3回出光賞受賞。
 使用楽器は、ストラディヴァリウスソサエティーより貸与されたグァルネリデルジェス(1742年製)「ヴィニアフスキー(Wieniawski)」。
・オフィシャルホームページ:http://www.kyokotakezawa.com/
・オフィシャルブログ:http://okyovn.exblog.jp/
・竹澤恭子さんが連載している週刊NY生活:http://www.nyseikatsu.com/

■臼井文代(ピアノ) Fumiyo Usui
 才能教育にてピアノを始め、東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業。ベルリン芸術大学ピアノ科留学、91年卒業。1990年パリにおける第8回クロード・カーン国際ピアノコンクールにて3位入賞(1位なし)。1998年、カワイクラシックオーディション・ピアノ伴奏部門で、優秀賞受賞。現在は,国際スズキ・メソード音楽院および長野音楽大学予備校で後進の指導にあたる傍ら、ソロ、アンサンブルなどで,幅広い演奏活動を行なっている。これまでに故片岡ハルコ、辛島輝治、R.ベッカー、G.シェボックの各氏に師事。



● 2010年11月7日(日)展示室にて記念館コンサートを開催。


2010年11月7日(日) 14:00開演
鈴木鎮一記念館展示室

●演奏曲目
ブラームス:
 ヴァイオリン・ソナタ 第2番 作品100
ベートーヴェン:
 ヴァイオリン・ソナタ 第9番 作品47「クロイツェル」
ラヴェル:
 ツィガーヌ
            Piano:臼井文代